
JR西日本の長谷川一明社長は28日、産経新聞のインタビューに応じ、鉄道やホテルなどで利用者ごとに大幅に料金を割り引くサービスの導入を目指す考えを明らかにした。次世代交通サービス「MaaS」のスマートフォンアプリを活用。旅行などで鉄道利用を促しつつ、ホテルや買い物を含めたグループ全体での需要を掘り起こす狙い。デジタルを活用した個別の割引サービスは鉄道業界で先駆的な取り組みになる。
従来の割引サービスは「乗り放題きっぷ」など、対象を特定しないものがほとんどだった。新サービスは、利用実績の多い人を対象に、データ解析で志向に合わせた鉄道やホテル料金を大幅割引するプランを個別に提案することを想定。移動先のホテルや商業施設の利用につなげ、グループ全体で収益化する。
長谷川氏は自社で展開するアプリ「WESTER(ウェスター)」を通じ、顧客との接点でデジタルシフトを進めると強調。「お客さま1人1人ときめ細かくつながることで、柔軟なサービスを提供したい」と述べた。既存の割引プランに比べ、対象を絞ることでより大幅な割引が可能になる。閑散期の空席、空室の有効活用にもつながる。
開始時期については「なるべく早くやりたい」と説明。他社では始まっているICカード乗車券「ICOCA(イコカ)」の機能をスマホで使えるサービスが令和5年春に導入され、グループ各社のポイント共通化も同時期に進める計画があり、これらに合わせて検討を本格化させる考えだ。
一方、2025年大阪・関西万博や統合型リゾート施設(IR)開設が予定される大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)への延伸については「社会インフラとしての意義はあるが、単独事業としては収支が合わない」と述べ、万博終了後の需要や公的補助の見通しが立つことが必要とした。
また、利用者の少ないローカル線の存廃では、バス高速輸送システム(BRT)や次世代型路面電車(LRT)などの導入を念頭に、「赤字を出しながら続けるのは難しいが、廃止にして終わりにしたくはない。輸送モードを変える新しい選択を(地域と)一緒に考えたい」と話した。(岡本祐大)
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